CDにするにはもう「一手間」かけます
以前は「レコードをパソコンに取り込み、ボリュームの書き込みやノイズを取り除く」
という作業まで書きました。
今回は「それ以後」の作業について書きたいと思います。
ちなみに今回はこの2枚をCDにします。
まずは「スペクトラムアナライザー」を使用して、レコードの周波数分布を調べます。僕らは「スペアナ」と略して読むことが多い、このエフェクトですが音質調整には欠かせません。で、こうして見ると、やはり「高音域」が少し弱いことがわかります。もちろんこの周波数分布がレコードの良さでもあるのですが、今回の依頼は「カーステレオで」聞きたいというものだったので、少し改善をすることにしました。
EQ(イコライザー)により、高音域をブースト(つまり持ち上げる)して、さらに中音域も若干ブーストしました。EQと言ってもステレオ等に搭載されているのは「グラフィックイコライザー」と言われるもので、僕が今回使用したのは「パラメトリックイコライザー」と呼ばれるものです。詳しい違いはまた今度にします、一応「議員」のサイトなんで(笑)。ここで大事なのは、16kHz以上の「超高音域」という点を強調しているところです。このあたりには「演奏の空気感」が結構含まれているので、僕はいつもこの部分をブーストする場合が多いです。
続いてコンプレッサーを使い「音圧」を上げていきます。
昔買ったCDと最近買ったCDを聞き比べてみて下さい、同じボリュームでもかなり音の大きさが違って聞こえると思います。特に最近のCDはボリュームが大きいものが多いです。これを「音圧」が大きいと言います。日本でも特にここ最近、音圧の高いCDが増えましたが僕はちょっと「音圧至上主義」にうんざりしてきています。音圧が高くて有利なのは、ラジオやCMなどで流れる場合ですね。テレビを見ててCMになって、ボリュームを上げていないのに急に音が大きくなった経験はないでしょうか?そういう曲が現代風に音圧を上げられた曲です。で、僕も音圧だけにこだわるのはイヤなんですが、やはり他の曲と一緒に聞く場合は「ある程度」の音圧が必要になります。耳が慣らされているものもありますしね〜。ここで「コンプレッサー」の出番です。簡単に言えば「グシャッと潰して、引き延ばす」ということです(笑)。もっとわかりやすく言えば、演奏の小さい部分も大きな部分も同じような音量にするわけです。その後全体のレベルを引き上げる訳です。もちろん僕もより音の良いとされるエフェクトを使用するようにしています。今回のコンプレッサーは「あのビートルズが使用していたアビーロードスタジオの〜を再現!」みたいなものなので、今回のサウンドには結構マッチしていると思います。
僕の場合さらに「リミッター」を使い少し音圧を稼ぎます。音圧上げるの嫌いと言っても「僕も現代音楽ッ子」ですから、結構上げてしまいます(笑)。気がつけば最近のアイドル並みになっていたりしますからね〜。まあ車の中で聞くにはちょうどイイ感じだと「自分」では思っているんですけど、どうなんでしょうか?
これらの処理をした後、ファイルを書き出します。ちなみに「24ビット、44.1kHz」でまずは書き出します。CDは「16ビット、44.1kHz」なので、それ以上の高音質ですね。「どうせCDにするなら最初から16ビットで」と思うかもしれませんが、24ビットをマスターにCDにした方が音はイイです。少なくとも僕はそう思っています(笑)。
書き上がったファイルをCDライティングソフトで並べ、必要ならばさらにボリュームを書き込みます。そうしてSCSI接続されたCD-Rドライブで「1倍速(これ大事です!)」でCDを焼きます。まあ、ようは「プレス工場にそのまま出せる」クオリティーでCDを焼くわけです。ここはちょっとは自慢しておきましょう(笑)。ただ今どき「SCSI接続」のCD-Rドライブはほとんどありません。僕もYAMAHAのCD-Rドライブが欲しくて、ネットオークションでねばりましたから(笑)。
使用機材等を「知りたい!」というかたは、またコメントください!